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綾紫(lithium)の日記

日記へようこそ。ここの主旨は祭り、写真、心理学(エニアグラム=enneagram·MBTI)等としたい処だったが、最近とても手が回らなくなった。日常的視点の雑多な話題をcgiや専用ソフトに頼らず、人力で作成したhtml形式の文書として呈示する。
 
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私のしごと館の今後
2009年6月4日(木)
Infoseek
今日は晴。私のしごと館を設置している雇用·能力開発機構が政府からも批判されたのは、最近の事ではない様だ。例えば2002年9月11日に行革断行評議会がまとめた資料(www.gyoukaku.go.jp/sanyo/dai2/kashitani_siryou.pdf)は、
 

と云った具合に雇用保険を中間搾取する団体だと断言。廃止を求めている。その理由だが、
 

にある様に、雇用保険を失業者への給付以外の事業に使って食い潰しているからだ、としている。逸脱の具体的内容は、
 

が挙げているが、この頃は勤労者福祉事業と称して保養施設の建設等も行っていた様子だ。だから私のしごと館もオープン前から批判されていたらしい。例えば夕刊フジ特捜班(www.zakzak.co.jp/tsui-sat/tsuiseki/contents/2002_10-03/030301_05.html)
 

は、私のしごと館の建設費を雇用対策に使うべきだ、と主張している。この当時、ITバブル崩壊で景気が一挙に悪化していた。現在、保養所の建設等勤労者福祉事業は廃止され、5/31に述べた様に職業訓練施設も自治体への移管や民間委託を勧める事が決まっている。やはり雇用保険は保険であって税金ではない以上、困っている人に手を差し伸べるタイプの事業から距離が開く程、批判されるのではないか。
 
ところで、気になる事がある。繰り返しになるが、5/31に挙げた行政改革推進本部の資料は職業訓練業務の自治体への移管、民間委託を謳っている。だが自治体が嫌がったらどうなるのか。私のしごと館も同様で、「私のしごと館に係る建物等の有効活用検討会」の議事録(www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/txt/s0420-1.txt)では、自治体の委員は買いたい、とは発言していないし、アンケートによれば買いたいと答えた関西企業はなかった様子である。となると結局、引き続き雇用·能力開発機構が保有し続ける事になる。これを懸念してか、厚労省の審議官が
  • ······維持管理費というのは最低でも年間1億2,000万円ぐらいはかかります。これだって、いまは雇用保険のお金からずっと継続的に出ているわけですから、廃墟にならない程度の基礎部分のコストも、いまは雇用保険のお金を使っていかなければならないのですけれども、それについてもその先の有効活用の相手方が見つからない限り、期間が長くなればなるほど、それについての批判も出てきてしまうこともあります。その辺もこの検討会の中では頭の中に入れておいていただきたいという希望はあります。
と発言している。だがそもそもの批判の発端は雇用保険の流用だと思われた事であり、これは厚労省も認識している様子だ。となれば、国や国に近い法人が新設、移転、増築を検討していて、且つけいはんな地区の規制に合致する施設の誘致、要するに一般会計への横滑りもあり得るのではないか。
 
加藤座長と審議官の間にはこんなやり取り
  • ······先ほどの論点でちょっと微妙な言い方があったのだけれども、論点メモのところで、「現在の経済情勢を踏まえると、公的な事業を行う団体等への売却も考えられるのではないか」、これについて事務局では何かイメージのようなものがありますか。
  • 具体的にどういう方向のものというのは全くないですし、我々が申し上げるべき段階でもないと思っています。第1の○で先ほど申し上げましたように、一方でコストを最小化するという観点から高く売るというようなことを思考しても、なかなかうまくいかないということも最近の経済情勢からいってあるのではないか。その場合に、もちろん自治体だけということではなくて、公的ないろいろな団体があると思いますけれども、そういう公益法人みたいな所で、何かの事業をやるということであれば、それは全くの市場の入札ということ以外の配慮をして、例えばそれよりも安く売ることについて、世間の理解が得られれば、そのようなことも考え得るのではないかということです。実際にこれは直接適用があるわけではないのですけれども、国有財産を地方自治体などに売却する際に、一定の公共の施設として売る場合には半額まで減額ができるという規定もあります。例えば、病院だとか学校といった所ですが、別にそのことをすぐに適用するつもりはないのですけれども、そういう思想からいえば、何らかの形での公益の目的のために使うということであるのならば、それは民間で出すような入札価格よりも低い値段であっても、そこに売却ができて、それで使ってもらうということであるのならば、それはそれも1つの方法ではないかという趣旨です。何か特定の意図をいま持ってここに書いているつもりはないです。
があるし、木津川市長も
  • ······文部科学省などに変更ができるのでしたら、先ほども言いましたけれども、いろいろな面でそういう有効活用を考えていただければと思っています。
と発言している。
 
 
私のしごと館の今後
2009年5月31日(日)
Infoseek
今日は曇後晴。私のしごと館を政府がどう位置付けているか、曖昧だ。厚生労働省傘下の独立行政法人 雇用·能力開発機構のホームページを辿れば、www.ehdo.go.jp/gyomu/o-3.htmlに於いて公共職業能力開発施設の1つである事が分かる。而るに、行政改革推進本部が雇用·能力開発機構の廃止を昨年の12月24日付で謳っているポンチ絵(www.gyoukaku.go.jp/siryou/tokusyu/201224/)
 

は、私のしごと館を職業能力開発ではないその他の業務としている。前者が正確かもしれないが、"その他"に見えてしまう処に、通常の職業訓練施設ではない私のしごと館の曖昧さがある。
 
 
私のしごと館の今後
2009年5月25日(月)
Infoseek
今日は曇後晴。私のしごと館の今後に関し、けいはんなのまちづくりを考える会主催の地域の集会があった。これを読売と京都新聞が報じている。いや、もう2紙だけが、と云ったほうが、今のこの課題への関心度を巧く表現出来る。
 
 


読売新聞(www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20090525-OYT8T00006.htm)

先ず読売。タイトルも"「しごと館」問題市民フォーラム"と淡々とした言葉である上、
  • ······法人理事長の吉田秀子さんは「体験できる身近な仕事は多くなく、なくなっても困らない」と指摘。
と、批判的意見を掲載。
 
 


京都新聞(www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009052500063&genre=O1&area=K20)

ところが京都新聞は"職業教育機能の維持など訴え「私のしごと館」パネル討論"と云うタイトルから始まっており、私のしごと館に対し、肯定的。この傾向は
  • 木村要精華町長は「開館からわずか約5年で廃止の議論を進めてきた国の責任を問いたい」と訴え、今後の活用策について、職業安定所や人材育成などの機能を持った施設運営を求めた。
と云う存続派の自治体の首長の主張を掲載している処にも現れている。
 
 
私のしごと館の今後
2009年5月24日(日)
Infoseek
今日は曇後晴かと思われたが、午後、雷雨。私のしごと館の今後に関し、けいはんなのまちづくりを考える会主催の地域の集会があった模様だ。
 
 


blog.goo.ne.jp/keihanna-machizukuri/

先ず案内状。時間は13時から17時迄で、場所は私のしごと館、精華町·木津川市の首長も登場する事になっている。
  • 「私のしごと館」の存廃問題は、けいはんな学研都市の地元にとっても、中高生のキャリア教育の拠点をどうしていくのかという問題に加えて、けいはんな学研都市全体のイメージ、館周辺の景観、館に働く人々の雇用など極めて大きな問題です。
とあるのでやはり地元としては雇用減は防ぎたい処であろう。
 
 


blog.goo.ne.jp/in0626/e/e4f9eeb55beee3c28f65d3891cd55787

こちらは参加者による報告。けいはんなのまちづくりを考える会の案内状では"100人"とあったが、こちらでは"報道も含めて120人ほど"になっているので、盛況だったのだろう。
 
 
私のしごと館の今後
2009年5月16日(土)
Infoseek
今日は曇で、時々小雨。森永卓郎の日経bpでの意見に対し、筆者はblog.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/mt/mt-comments.cgi?entry_id=195806で、
  • また嫁ぎ先だが、けいはんな地区ではオムロンの研究所がちょっと小さいが似たような大きさのはず。つまり、オムロンクラスの大企業の研究所ならば有りえるかもしれない。景気後退の今難しいだろうが。
と述べたが、私のしごと館を購入したい企業は1社も無く、甘かった様だ。実は、(株)オムロンは(財)関西文化学術研究都市推進機や(株)けいはんなを通じてけいはんな地区に深く関与している特別な企業であり、他の関西の大企業と同列ではないからだ。となれば私のしごと館の嫁ぎ先として公的機関を考えざるを得ない。この問題は育成支援課長が
  • ただ、さはさりながら、現在の経済情勢といったことを踏まえると、なかなか高く売るというのは難しい点もあります。そうなると公的な事業を行う団体に対して売却するといったことも考えられるのではないか。そういった場合に、どのような活用方策あるいは売却先が考えられるかについて、調査検討を進めてはどうかといった点があろうかと思っています。アンケートの回答を拝見しても、職業訓練あるいは就職支援といったご意見があるわけです。そういったことを踏まえた調査検討を進めてはどうかということです。
と発言しているので、厚労省も自覚しいている筈である。実践的な「職業訓練あるいは就職支援」は雇用保険法が認める雇用保険の使い途だから、そうした業務への転換は法的には可能(と云うより、今のままでは違法の虞がある)だが、審議官の発言
  • しかも、 それが雇用保険の事業主負担である雇用保険2事業と言われておりますが、雇用保険のお金を使ってつくってきたということが、いろいろな批判のかなり大きなウエイトを占めてきています。
  • 少なくともこれまで出してきたやり方で、そこを別の形にするにしても、おそらく別の形という前に、そのしごと館業務という、こういう職業体験的な同様の事業を、同様の形の拠出でやることはおそらく認められないだろうということはあると思います。
を見ると、実践的な「職業訓練あるいは就職支援」ももはや難しいと考えている様子が窺える。となれば公的機関の1つとして、サードステージプランで消えてしまった総合芸術センター構想を再点火してはどうだろうか。最近の関西圏の研究所建設プロジェクトとしては次世代スーパーコンピュータ(www.nsc.riken.jp/index_j.html)があり、神戸ポートアイランドで今、建設が進んでいる。場所の選定ではけいはんな地区(けいはんなプラザ近くと奈良先端大)も立候補したらしいが、破れた。理系の研究機関は本来、特定の地域を特別視する動機を持たない。これに対し、梅棹忠夫の「新京都国民文化都市構想」に端を発する総合芸術センターは、初めからけいはんな地区に建設する事が想定されていた施設である。
 
 
私のしごと館の今後
2009年5月15日(金)
Infoseek
今日は晴。第1回 「私のしごと館に係る建物等の有効活用検討会」の議事録が出た。場所はwww.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/txt/s0420-1.txtである。4月20日。出席者は
  • 厚労省 審議官
  • 厚労省 支援育成課長
  • 加藤丈夫(富士電機ホールディングス株式会社相談役)
  • 稲田進(財団法人関西文化学術研究都市推進機構常務理事)
  • 河井規子(京都府木津川市長)
  • 木村要(京都府精華町長)
  • 高嶋学(京都府政策企画部長)
  • 隈崎守臣(株式会社コングレ取締役社長)
であり、他に数名が欠席。最後の隈崎守臣はオブザーバーであり、求められた時にのみ、発言している。この種の会議では長々とした事情説明が始まる。議事録の文字数にして約1/3。「私のしごと館に係る建物等の有効活用検討会」の目的は地元の意見を聴く事だが、どうも地域の事情に詳しくないと解釈出来ない発言があるので補足しよう。例えば稲田進は用途規制に関連して、
  • さっきの資料で用途の制限とかいろいろありましたが、これはそういう制度に基づいて決められているもので、逆にこの6頁に書いてあるアウトレットとかコンベンション、商業施設など、そういうのは立地できる場所が逆に決まっているのです。そこの商売もいまの時勢、青色吐息で非常に苦しい状況があります。
と述べている。「アウトレットとかコンベンション」とはけいはんなプラザであり、2007年末に倒産。今、出費を抑える手を打って再出発中だ。商業施設とはけいはんなプラザの東にある食彩プラザやユータウン、コーナンだろうが、こちらも苦しいのだろうか。続いて
  • シネマコンプレックスも実はこの近くにできたのです。
とあるのは、高の原駅前のイオンを中心としたサンタウンプラザこすもす館。「この近く」とは「ここ」、即ちけいはんな精華·西木津地区の内側ではない事を示唆する表現と受け取れば、事実と符合する。
 
河井規子は
  • できましたら職業体験ということをお願いしたいわけですけれども、どうしてもこのままの形態では難しいということでありましたら、関西には非常に多くの国宝があります。約6割が関西にあるということです。また重要文化財についても5割、そして国指定の史跡や名所といったものも3割が集積しているという点では、非常に歴史文化の宝庫と思われます。そういう中でもこの施設が、そういうPRのできる場所になってもいいのではないかと思います。特に私ども木津川市でも多くの国宝を持っておりますし、また最近もいろいろな史跡が出てまいりまして、国宝級の史跡も出ております。そういうものも職業の1つでありますし、そういう本物を見たり、体験したり、そして聞いたりとできるような施設の一部にも活用していただけたら非常にありがたいと思います。
の様に、文化財関連施設への転用の考えを披露している。憶測になるが、けいはんなの開発プランでは文化財=平城宮跡の様な印象が強い為、橘諸兄の恭仁京も置かれていた地元の代表としては不満を抱いているのではあるまいか。
 
また稲田進に戻るが、
  • ちょっと立場的には違うか もしれませんが、学研都市は、いま我が方のプロジェクトとしては、科学の町の子どもたちということで、いまの理科離れに対して、10年先ではなくて、20年、30年先の、いまの子どもが大人になったときに、日本がどうなるかということを子どもにも実感してもらいたいし、考え方としても再整理する時期が来ているのではないかということを1つ取り組んでおります。
と云う発言。理科離れ云々は日本原子力研究所が併設している子供向けの施設·きっず館を念頭に於いているのであろう。再整理、とあるので縮小、拡大、その他リニューアルでもするのだろうか。
  • いまでこそインターネットで、家まで光ファイバーが行っているのが普通ですけれども、そういうのをここでは20年ぐらい前に先駆的にやっています。最近でいえば、ロボットが実際どういう活用をできるかというのを、商業施設の中で去年実験しました。いろいろな実証実験はしています。
けいはんな地区はロボット特区になっている。20年前云々はBBCCと云う情報通信関連のプロジェクトであり、ネットワークを活用した遠隔共同作業の実験を行っていた。
 
木村要の
  • それから、学研施設の中の中核施設として、国の責任においてつくられてきた施設もかなりあります。しかし、その部分についてはおっしゃられない。しかし、このことについておっしゃるというのは、それで私も建物が悪いのですか、大きなお金を投資したがためにいけないのですか、中身そのもの、こういう研修施設そのものも駄目なのですかということをいろいろな場で言っても答えは返ってきませんけれども、そういう何かすっきりしない、やはり市民レベルの方たちも心配する。
は意味不明の発言だが、例えば私のしごと館と設立時期も規模も似た施設、国立国会図書館関西館が殆ど批判されていないのに、私のしごと館だけが廃止の対象となるのは理由が分からず納得出来ない、と和文和訳すればすっきりする。
 
 
私のしごと館の今後
2009年5月14日(木)
Infoseek
今日は晴。第1回 「私のしごと館に係る建物等の有効活用検討会」の議事録が出た。場所はwww.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/txt/s0420-1.txtである。
 
 
けいはんなサードステージプランと文化政策
2009年5月13日(水)
Infoseek
今日は曇後晴。昨日と異なり風が強く、外に居れば涼しかった。ここ最近、私のしごと館と梅棹構想にあった巨大な総合芸術センターを対比する処から、けいはんな地区の開発計画を辿る話に軸が移っている為、改題する。サードステージプランは「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」の答申を受け、「今後10年」に関する方針として、2006年3月29日に出た計画である。文化に関連する部分を抜き出すと、例えば、

に於いてはコンテンツ産業や地域活動に触れている。実に「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」の答申にあった、新たな文化の創造に関する提言とそっくりだ。だが上述の部分は提言ではなく課題を述べている箇所の一部である。
 
提言に相当する部分は、

となっており、(財)国際高等研究所や国立国会図書館関西館、私のしごと館を文化施設として位置付け、その高度化を求めている。奈良文化財研究所や平城遷都1300年記念事業にも触れている。更に、産業と多少なりとも関連しそうな


と云う、自然科学と人文社会科学の融合に触れた箇所もある。
 
サードステージプランは新産業の創出を強く押し出しているし、地域活動に関する提言も行っている。だが「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」と比べると、コンテンツ産業や地域活動を文化の枠に入れる様な態度は消えている。そして「文化拠点の高度化」と云う表現から、新たな施設の建設はもう考えない、と云う方針が窺える。2005年8月9日の第1回会合(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/tsp_iinkai/050809gijiyoushi.html)では、
  • 近年国民の文化に対する意識が「文化施設への期待」から「文化活動への支援」にシフト、今後は様々なソフトを体系化することが必要。
と云う意見が出た模様で、総合芸術センターはまたもや否定されている。国際高研での芸術研究や国会図書館でのデジタルアーカイブが、梅棹構想を部分的に継承しているのかもしれないが。
 
 
私のしごと館と梅棹忠夫構想
2009年5月12日(火)
Infoseek
今日は晴で昨日と同様、暑かったが夕方から曇。「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」は2004年9月2日から翌3月10日迄5回、開かれたが、その出発点となった資料の1つ(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/kondankai/1_siryou6.pdf)

は、論点として
  • 学研都市の理念·位置付け
  • 新産業創出·産学連携の在り方
  • より快適な都市空間の形成
  • 学研都市の推進·運営
の4項目を挙げている。文化への言及は最後の項目の中で「文化面での交流活動の活性化、情報発信の強化」とあるだけで、強力に推進しようとする意図は感じられない。具体的な議論の段階で文化と関連するのは最初の理念だった様子で、その論点を具体化した資料(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/kondankai/2_siryou2.pdf)は、

と云った具合で「文化」を前面に押し出しているし、続いて


にある様に、梅棹忠夫構想にあった総合芸術センターにも触れている。しかしながらその後の現状や将来展望を述べている部分


ではコンテンツ産業の強化等に力点が移っている。この論調は昨日紹介した「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」の報告と全く同じだ。更に理念を議題とした第2回の議事要旨(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/kondankai/041005gijiyousi.html)には、
  • 文化については、大きな転換点。高度成長期の大きなセンター整備を目指すのではなく、新たな視点に基づいて、全国にある文化的資源を活用していくことが重要。
とあり、総合芸術センターはここで否定された模様だ。総合芸術センターの名残は意見募集の結果(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/kondankai/5_siryou2.pdf)

  • 日本及びアジアの伝統·歴史·芸能·宗教等の文化、文明を紹介し、説明出来る施設の建設が必要。
となっている主張と微妙に重なるのかそうでないのか、と云った感じで消えている。
 
 
私のしごと館と梅棹忠夫構想
2009年5月11日(月)
Infoseek
今日は晴で暑かった。1996年の関西文化学術研究都市(けいはんな)セカンドステージプランは、「総合芸術センター」と云う言葉は用いていないが、ともかく梅棹構想をほぼそのまま踏襲している。これに対し、2005年3月の「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」の提言は、芸術文化に関わる施設の建設に触れていない。文化に言及する箇所を抜き出すならば、

にある現状認識に於いては、コンテンツ産業の発達や地域住民の活動に関する話はある。だが「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」の提言は、全体として「遅れ」「不足」「不十分」等をキーワードとしつつ、だからもっと開発が必要だ、とする発想を基調としている。にも関わらず、セカンドステージプランで明記されていた総合芸術センターの動きが全く無い事には、一切触れていない。将来展望を述べている部分

も国立国会図書館関西館や私のしごと館を文化の一部として位置づけつつ、梅棹構想への言及を避け、「芸術」という言葉をデジタル産業や地域活動に関してのみ、用いている。セカンドステージプランにあった「新しい芸術文化創造の中枢の形成」は9年の歳月を経て、産業志向が強まる中、関係省庁がノーを突き付けたのか、旗振り役に何かがあったのか、ともかく消えた事は確かだ。
 
 
私のしごと館と梅棹忠夫構想
2009年5月6日(水)
Infoseek
今日は曇時々雨。関西文化学術研究都市(けいはんな)サードステージプランとその母体であった「関西文化学術研究都市の明日を考える懇談会」の提言、そして1996年にまとまったセカンドステージプランが「文化」の状況をどう見做しているか、詳しく比較しよう。順に
  • www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/tsp_sakutei/tsp_final.pdf
  • www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/tsp_iinkai2/sankou2.pdf
  • www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/tsp_iinkai2/sankou3.pdf
からダウンロード出来る。先ず、セカンドステージプランはその概要

に於いて何度も「文化」と云う言葉を使っている。その中でも「新しい芸術文化創造、文化遺産の保存·活用の中枢の形成」や「文化面、新産業創出面での交流、連携及び研究交流システムの強化」は、何らかの組織や施設を作る意図を感じさせる表現だ。梅棹忠夫は総合芸術センターの博物館の側面を「ジーンバンク」と称していたが、これには「保存」や「創造」が符合する。そして

まぁ、こんな一般論はさて措き、

で「文化の中核施設」や「日本固有の文化と世界の異なる文化の交流」を謳っている。後者は文化財保存関連の活動に近いかもしれない(平城宮跡もけいはんなの一角)が、前者は明らかに施設の建設の意図が窺える。更に、

の「文化施設の整備は十分ではなく」と云う表現も、新たな建設の意図を示唆している。なお勤労体験プラザは私のしごと館の計画段階での仮称だ。そして

は見事に梅棹構想と符合する。即ち「人類の営為としての芸術に関する古今東西の情報を収集し、保存し、公開する機能」は梅棹忠夫が敢えて総合芸術センターの役割の一部を(美術館ではなく)博物館と呼び、実物或いは情報を収集するとした発言や、和漢洋に留まらず東南アジアやアフリカにも手を広げるべきだとした意見をそのまま反映している様だ。「収集された情報に基づき、グローバルな視点から芸術を研究する機能」や「芸術文化の振興と発展に携わる人材(文化行政官)を養成する機能」も梅棹構想そのもの。「展示や公演など芸術をめぐる多様な事業の展開機能」も、梅棹忠夫が総合芸術センターの対象となる芸術に舞台の上で上演するパフォーミングアートを含めていた事と符合する。要するにここで云っている事はほぼ梅棹忠夫の考えそのままだが、「どの機能は重要であるかについて調査を実施するなど」とある事から、総合芸術センター本来の壮大さは若干、後退の模様だ。最後に、

に於ける「芸術新興、文化財の保全·活用及び地域活動······を担う人材」も、上述の文化行政官に対応している。
 
以上まとめると、1996年の関西文化学術研究都市セカンドステージプランは、「総合芸術センター」と云う言葉は用いていないが、ともかく梅棹構想をほぼそのまま踏襲している。
 
 
私のしごと館と梅棹忠夫構想
2009年5月5日(火)
Infoseek
今日は曇後雨。時々薄日も差す中、小雨が間断無く降り続けた。梅棹構想で登場する総合芸術センターだが、これは4/26に触れた様に先ず芸術を研究する機関である。梅棹忠夫は芸術を造形芸術(狭義の芸術)、上演芸術、言語芸術、環境芸術(建築等)の4分野に大別した上で、その全てを対象とし、一歩退いた客観的な研究を行うべきだと述べている。総合芸術センターの次の役割は芸術のジーンバンクとしての博物館。美術館、とは云わないが、それは狭義の芸術のみならず全分野を対象とする点、実物のみならず情報も収集する点。情報を収集するとは、電子化して蓄積する作業を意図したのではあろうが、他の識者(国立西洋美術館長·高階秀爾)は芸術作品がどこで損傷し、修理され、どう移動したか、付帯情報を跡付けて整理する機能に触れている。3番目の役割は文化の学校。これは実技の訓練を行う芸術大学ではなく、文化プロデューサー·文化行政官の養成を目的とした学校。
 
なお「地域と世界と、芸術文化の未来」の終盤で梅棹忠夫は、文化政策は防衛に値する国を作る安全保障だ、と主張している。即ち、文化国家である事は、同時に侮られない国である事だ、とも。しかも、関西文化学術研究都市(けいはんなの正式名称)の所轄は防衛庁がいい、とさえ発言している。京都が原爆の標的から外された事を意識しているのだろうか。実に、5/1に触れたけいはんな地区と祝園弾薬庫の話と微妙に重なって来るのだ。
 
それにしても総合芸術センターは明らかに「芸術の」施設ではなく、一歩引いて側面支援する「芸術の為の」施設だ。通常の文科系の学者にはこうした発想は滅多に出て来ない。国家防衛の話も右翼的ではない。こんな所に、梅棹忠夫の冷静さを感じてしまう。
 
「地域と世界と、芸術文化の未来」はその最後、梅棹忠夫他6人の識者の連名で、総合芸術センターの早期実現を要求している。それは1994年11月1日。その後の1996年4月、けいはんな地区の開発方針をまとめたセカンドステージプラン(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/ps090530.html)には「新しい芸術文化創造、文化遺産の保存·活用の中枢の形成」と云う表現があり、総合芸術センターの建設が意識されていた様子が窺える。2001年の「人にやさしいまちづくり推進方策調査」(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/kangaku_report/13hito_1.html)でも総合芸術センターが構想中と位置付けられており、建設したい意識は残っていた。その後、セカンドステージプランに続くサードステージプランの策定に於いては、総合芸術センターが出来ていない事に触れた参考資料(www.mlit.go.jp/crd/daisei/daikan/tsp_iinkai/sankou4.pdf)が提示されてはいるが、2006年3月の報告書は(財)国際高等研究所、国立国会図書館関西館、私のしごと館の建設や平城旧跡の整備、その他ロボットによる支援技術の研究等で関西文化学術都市の「文化」の部分が推進出来ている様な主張をしており、総合芸術センター構想の匂いは消えている。
 
 
私のしごと館と梅棹忠夫構想
2009年5月1日(金)
Infoseek
今日は晴。厚労省
  • www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/h0430-4.html
によれば、私のしごと館の活用策を調査する委託先がPwCアドバイザリー(株)に決まった模様。
 
 
 
 
 
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